< 保育所保育指針に沿った質の高い保育「見守る保育」を学びたい保育園(子ども園)職員。質の高い保育をめざす方へ >
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「見守る保育」藤森メソッド
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Japanese Childcare Method 『HOIKU』 by HEIJI FUJIMORI
A practical childcare & curriculum guide based
on Mimamoru philosophy toward social networks from the dyad.
保育環境研究所ギビングツリー(GT)
〒161-0033東京都新宿区下落合2-10-20
新宿せいが子ども園内
Email:: info@mimamoru.net
年度 | 2016年(平成28年) | 評価機関:評価基準研究所(IRES) | ||
担当評価者 | 評 価 者 氏 名 | |||
①浅野 睦 | ②倉掛 秀人 | ③中山 利彦 | ④谷口 仁宏 | |
福祉サービス種目 評価対象事業所名称 | 認可保育所 | |||
世田谷はっと保育園 | 〒154-0002 | ℡03-3414-0810 | ||
所在地 | 東京都世田谷区下馬4-1-8 | |||
園 長 | 片山 佳子 |
受審することによって、改めて法人の理念や大切にしたいこと等を確認でき、よい機会となりました。
また、危機管理などのいろいろな書類の整備にも役立ちました。評価者の方々に適切なアドバイスをいただけたことも受審してよかったと思うことです。
1) 丈夫な子どもに育てます。
2) ていねいに関わります。
3) 子どもと遊びます。
4) 保護者対応方針として、親の気持ちに共感できる心を鍛え家庭の事情に応じた最大限の対応をし、保護者同士の良好な関係づくりを援助します。
5) 地域の子育て支援方針として、 地域の状況に即した子育て応援プログラムを作り、 地域の他の団体、協議会と連携し、 保幼小中の連絡会を活性化する要になります。
『運営理念』と『保育方針』の意味と意義を理解しその具現に努める。
子ども主体の保育の担い手になる努力をする。
チームワーク向上の担い手になる努力をする。
『運営理念“みんなでみんなをみていく園づくり”―私たちスタッフ一人ひとりが作り手ですー』は、保育園の職員だけでなく地域ボランティア、学生ボランティア、専門機関など、子どもに関わる人々の輪を広げる実践を意味します。
園児だけでなく、地域の子育て家庭全般に広げて、関わる内容(関係性)を深めていく実践を意味します。人の輪を広げ、関わる内容(関係性)を深める手立てや方法に対して、専門性を追求する実践で、これによって、保育園の社会的価値を高めます。
保育方針は、① 丈夫な子どもに育てます。(心身の健康と食育) ② ていねいに関わります。(情緒の安定と自立の援助) ③ 子どもと遊びます。(生きている喜びと社会への信頼)
保護者対応方針は、① 親の気持ちに共感できる心を鍛えます。(カウンセリングマインド) ② 家庭の事情に応じた最大限の対応をします。(多様なニーズに応える) ③ 保護者同士の良好な関係づくりを援助します。(基本ルール&マナー)
1)『運営理念』と『保育方針』の意味と意義を理解しその具現に努める。
2)子ども主体の保育の担い手になる努力をする。 ① 乳幼児を人格のある人間としてリスペクトし、子どもを侮らない。 ② 子どもの言動の意味を探る習慣を身につけて、子どもに寄り添う手立てを工夫する。 ③ 常に子どもに問いかけ、子どもに任せ、コミュニケーション力を高める保育をめざす。 ④「トラブルに対するかかわり方」「集団活動を展開する力量」「教材研究に対する創意」など保育のスキルアップを求められることを了解する。
3)チームワーク向上の担い手になる努力をする。 ① 社会人として職制を理解した言動に努め、自己の役割や職責を果たす。 ② 園内で発生する課題や問題に対して、他人のせいにせず、率先して行動に移す。 ③ 自分の考えや意見、発案や提案をためらわず伝え合い、議論に加わることが職場を活性化させるという仕事観・帰属感を持ち、不満や不平は溜め込まない。 ④『迷ったらやってみる。まずは、はじめてみる。そこから次の手立てを考える』
タイトル | 職員が学び合いながら保育を創りだし、保護者も保育に参画するなど「みんなでみんなをみていく園づくり」が着々と実現されてきている |
内容 | 保育は園の担任だけではなく、他の職員や保護者も含めて多くの人が関わって創り上げている。インカムを用いた連絡態勢やベテランの知恵に学ぶメンター制度、悩みや課題をメールで情報共有することなど、職員同士が常に協力し学び合っている。 また職員が保育を楽しいと感じながら、意欲的に行動しており、それが子ども主体の保育や、子どもの意欲を刺激する活動プログラムを生み出している。 保護者もこの運営方針を理解しており、バザーや行事などで率先して協力する様子が見られ「みんなでみんなをみていく園づくり」が早くも根付き始めている。 |
タイトル | 子どもたちは自分で選んだ遊びを楽しみながら、保育者がもたらす良質な運動遊びや描画活動、プロジェクト活動などにも没頭している |
内容 | 子どもが自発的に遊び込める様々なゾーンが用意され、乳児から幼児までどのクラスも、子どもが自分でやりたい遊びや過ごす場所を選ぶことできる。 併せて専門性の高いサーキット運動や描画表現、子どもが自分たちで作り上げるプロジェクトや行事など、長期的な見通しの中で学びが深まっていく活動とのバランスが良く調整されている。 また異年齢の関わりが生まれやすく、遊びが発展しやすい動線を工夫するなど、保育者は子どもの状態に合わせて指導性のスイッチをタイミングよくオン・オフしており、保育に子どもと保育者の息の合った呼吸が感じられる。 |
タイトル | 園が大切にしている保育を理解する保護者との関係性が良好で、保護者が園の取組みに積極的に協力する素地をつくり上げている |
内容 | 保護者が園の保育に対する考え方に共感し、保護者が園の行事や日々の取組みに自発的に協力する風土が醸成されている。 園が大切にする保育の考え方や姿勢などを、掲示物や配布物などによりきめ細かく示していることにより、保護者に理解が進んだ結果と考えられる。 運営理念や保育方針を具体的にどのように実現しようとしているかといった情報はもちろん、安全・安心に関する情報なども保護者に積極的に示すなど、保護者への配慮がきめ細かく行われている。 保護者は職員への感謝やねぎらいなども行うなど、園との関係性が豊かに形成されている。 |
イトル① | 毎日のサーキット運動による園児の身体機能向上が心身の健康維持支援に繋がっている |
内容① | 本園の「コンセプトブック」には「身体機能を高めることによって身体的なバランスが良くなると、精神的にも自分をコントロールする力が備わるのではないかとの説から乳児の頃から『サーキット運動』を毎日行うことにしました」とある。 この考え方に基づき実施されるサーキット運動によって、子どもたちは身のこなし、バランス感覚、判断の仕方、自分でできる感覚などを身に着けていく。また、跳び箱やはしごの選択制は子どもの発達を考慮した取り組みであると同時に、選択を保障した活動になっており子どもの意思を尊重した保育実践にも繋がっている。 |
タイトル② | 子どもが話し合って考える行事や活動を通して、自分たちで解決する力などが育っている |
内容② | 保育者は生活の中で子どもが見せる意欲を上手に汲み取りながら、遊びや行事やプロジェクト保育を創り上げている。 本園は、この保育の展開の仕方に、子どもの意思や主体性を尊重した保育者の指導性があると考え、大切にしてきた。運動会やお楽しみ会など、出し物の内容や役決めなども子どもの意見や話し合いが重視されている。 先生たちは子どもを信じ任せることで、子どもの考える力や、問題を解決する力などの成長が著しいと実感している。 今年度は誕生会の内容も子どもたちが話し合って決めることにした。子どもの姿が保育目標に近づいている。 |
タイトル③ | さまざまな仕組みを取り入れ、職員同士の学び合いや関係性の円滑な構築につなげている |
内容③ | 単に研修の実施という範囲にとどまらず、理念ブック、スキルアップシート、保育活動を画像として共有する仕組み、保育活動に関するノウハウ共有の場、IT活用による情報共有など、さまざまな仕組みによって実務を通じて職員の能力が向上するチャンスをもっている。 職員の育成が一方通行でなく相互に学び合う体制となているため、職員自身がみずから伸びようとする素地があり、モチベーションの向上にも役立っている。 職員同士の相互理解にも役立っているため、職員の関係性構築にもつながっている点は高く評価できる。 |
タイトル① | 意欲的に挑戦できる生活と遊びを通して、活動が豊かになる保育の展開を図っている |
内容① | 幼児期の終りまでに、育ってほしい子どもの姿を示したものが「保育目標」で、それは「主体的に行動ができる子」「お友だちのことを素直に認めることができる子」「自分たちで考えて、自分たちで解決できる子」となっている。そのような姿の育成に向けて、本園は意欲的に挑戦できる生活と遊びの創造に取り組み続けている。とくにどのクラスも基本的な遊びのコーナーが必ずあり、子どもたちがやりたい遊びができるように保障しつつ、さらにそれが発展するように、子どもの遊びの目的とスキルの向上を結びつけるゾーニングを探求している。 |
タイトル② | 遊びが豊かに展開した事例に学び園全体で「スイッチの押し方」の共有を目指している |
内容② | 子どもの生活や遊びを豊かに展開させるためには、子どもの興味や関心がどこに向かっているのかを見取り、子どもが思わず引き込まれる環境に再構成しなければならない。 そのためには、子どもと保育者が対話しながら、子どもの気づきや意欲のスイッチを入れる保育者のセンスとスキルが必要で、その秘訣を理解しているリーダー層は、実際に起きた事例をHPに紹介している。 カプラ崩壊をめぐるスキルと自身の獲得物語、てっちゃんの鉄道立体化工事など、好事例は多い。 公開保育と検討を重ねており、秘訣が「みんな」の中に共鳴する日が楽しみである。 |
タイトル③ | 毎日のサーキット運動が全身から微細までしなやかでバランスのとれた身体を育てている |
内容③ | サーキット運動は、1~2歳は毎日10分程度、幼児は週1回40分程度行っている。マットや平均台、太鼓橋など運動遊具を配置し、子どもたちが周回しながら運動を楽しむ。個々の発達に合った運動ができるように調整している。子どもはちょうど今伸びている力を使いがたる。繰り返しありたがることには、ちょうどそのとき発達している機能がある。少し飽きて来たら「ちょっと難しそうだけとやってみたい」という気になるよう、遊具の種類や配置を臨機応変に変えている。 これを継続的に積み上げてきた。身体はバランスが整いしなやかに育っている。 |
タイトル① | 日常の保育とつながった行事は、子どもたちが考え企画し、話し合いながら創っている |
内容① | 行事はその日だけのものではなく日常と連動している。 たとえば運動会の競技は、普段の運動遊びの中で盛り上がっているものが選ばれる。誕生会も先生が企画するのではなく、子どもの企画に切り替えた。お泊り会も子どもがアイデアを出し合って内容を決めている。 小集団の中で役割を見出し、共同的な取り組みを通して協力して目指したことを達成する喜びを体験している。 また年長の子どもたちがお世話になっている地域の方をインタビューする活動もある。このようなその取り組みの過程は写真で解説された「ドキュメンテーション」で情報発信されている。 |
タイトル② | 目的に向け協力し成し遂げる行事を通じて、自立心や協同性、自信などが育っている |
内容② | 幼児期になると共通の目的に向けて協力して成し遂げ、充実感を味わう活動が用意されている。とくに年長組になると、運動会や生活発表会などの行事で、できるだけ子どもたち自身で計画を立てたり、考えやアイデアを伝え合ったり、問題を話し合ったりして解決していく経験ができるようにしている。 たとえば生活発表会で演じる劇遊びでは、配役は本番ギリギリに決まる。それまでの練習では、お互いの思いや考えを共有し、その実現に向けて役の交代などを工夫している。 自分の役割を自覚してあきらめずに最後まで成し遂げる劇づくりで自信も育っている。 |
タイトル③ | 任せられたカレー作りの試行錯誤の中で、年長児が生きた知恵をアクティブに学んでいる |
内容③ | 今年度の新しい試みとして、年長組が5人程度のグループごとにカレー作りに挑戦している。 まず先生が調理する様子を見せ、やりたいという意欲を掻き立てている。 そのうえで先生は、食材の買い出し、お米とぎと炊飯、肉や野菜の下ごしらえといった作り方や手順を全部子どもたちに任せた。 野菜を買いすぎたり、ごはんがおかゆになったり、ハプニングの連続だったが、子どもたちはやり遂げていく。名付けて「やりきりプロジェクト」。 この年4回の長期的な活動で生きた知恵をアクティブに学んでおり、就学に向けたアプローチカリキュラムにもなっている。 |
タイトル① | 乳児から幼児まで独立した食事の場所があり、落ち着いて楽しく食事ができる |
内容① | 食事も子どもの主体性を尊重しており、食が意欲的に進む工夫がある。どのクラスにも食事スペースがあり、遊びや寝具のほこりなどのない独立した場所が確保されている。 椅子やテーブルも衛生的で身長にあったサイズとなっており、発達にあっている。幼児はランチルームがあり異年齢で食べている。 毎日運動するので、おなかのすくリズムがもてている。 幼児は自分の適量をよそってもらうビュッフェ形式。無理強いはしないので、食べ残しをせずに次第に食べたいものや好きなものが増えている。 子どもたちは食事の時間を楽しみしている。 |
タイトル② | メニューの工夫を始め、子どもによる野菜の栽培や食事づくりなどは保護者に伝えている |
内容② | 栄養士が立てている給食の献立は毎日変えている。 栄養のバランスはもちろん、地元以外の郷土料理や世界の料理がでるときもある。 園長は「あまり食べたことのない料理を食べることで、他の県や外国のことを知るきっかけにもなる」と考えている。 子どもたちはプランターで野菜を育て、収穫している。またその日使う野菜の皮むきなど、食事作りや準備にかかわる機会も多い。 保護者にはその日の昼食と間食を展示し、その日の食材の産地も表示している。また毎月の園だよりで食育情報を提供し、保育参加の際は給食を試食してもらっている。 |
タイトル③ | 調理から食事まで3段階の徹底した誤食防止で食物アレルギーに対応している |
内容③ | 食物アレルギーの子どもが多いので「いくら神経を使っても足りないほど」(主任保育士)大切にされている。 まず除去食や代替食は、保育園が提供する予定の内容を献立表で保護者にもチェックしてもらう。 そのうえで除去食や代替食を用意する。次に配膳のとき間違えないように、色の付いた食器やお盆で区別する。 さらに食べるときは必ず保育者がそばにいて、誤食が起きないように注意している。 この調理、配膳、喫食の三段階チェック方式を徹底し、全職員が心がけている。今はいないが、外国籍の子どもや食文化の違いで食べられない場合も対応する。 |