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「見守る保育」藤森メソッド

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 Japanese Childcare Method 『HOIKU』 by HEIJI FUJIMORI

      A practical childcare & curriculum guide based
     on Mimamoru philosophy toward social networks from the dyad. 
 

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八王子市石川保育園(2016)

年度2016年(平成28年)評価機関:評価基準研究所(IRES)
担当評価者評 価 者 氏 名
①谷口 仁宏②秋山 由美③伊藤 賢④倉掛 秀人
福祉サービス種目

評価対象事業所名称
認可保育園
八王子市立石川保育園〒192-0032℡042-642-2853
所在地東京都八王子市石川町2966-8
園長  松田 裕美子

今回、第三者評価を受審してのご感想(256文字以内)

見守る保育を導入したものの「何をどのように」進めて行くべきなのか、日々職員一同で試行錯誤しながら保育にあたっています。
その中で自園の特徴を踏まえた保育実践についてのアドバイスや他園での取組み情報を教えていただいたり、今後の方向性や保護者との協働をどのように進めていくべきなのか等の相談にも応えていただいたりと、職員が見守る保育を理解し、課題を明確にする良い機会となりました。
また、出来ているところの評価については、職員の自信とやる気にも繋がっています。 

事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)のうち、特に重要なのも

1) 法人理念の下、子どもの人権・人格を尊重し、子ども主体の支援を行う
2) 子どもの思いを受け止め見守りながら、保護者の子育ても支援していく
3)「和の保育方針」の下、様々な体験を通して日本の心を伝承しながら心を育てる保育を行う
4) 地域の人々が安心して集える「地域の大きな家」を目指した取組みを実践をする
5) 地域との連携を取りながら、在宅子育て家庭や次世代育成支援を実践していく

期待する職員像

(1)職員に求めている人材像や役割

・園児の興味関心のある事に気付き、個人の発達に合わせた支援をしようと考えられる人
・保護者の状況や気持ちの変化に気付き、落ち着いた対応が出来る人
・職員同士および保護者との人間関係を穏やかに保てる人

(2)職員に期待すること(期待を持って欲しい使命感)

・自身の保育について評価し、現状に満足せず常に向上心を持つ
・プロとしての自覚を持ち、自身が保育を楽しみながら自己表現をする
・他者を認め、受け入れる気持ちを持ち、相手が何を求めているかを感じ取る努力をする

特に良いと思う点

タイトル毎日の保育実施に関し、園長・主任・副主任・給食等を含めた全職員の柔軟な連携が図られており保育に生かされている
内容

本園の特徴は職員の連携が良いことである。
園長は職員を温かく見守り、主体性を損なわずに新しい取り組みを可能な限り認める姿勢を有しており、これを支える主任は職員や子どもを冷静に見つめ、必要な支援を怠らない。
また若い副主任は、地域の保護者支援や新しい保育への情報収集などを着実に行い、園が必要な業務処理を職員と共に確実にこなしている。
これらの経営層だけでなく、保健担当や給食担当を含め、全職員が毎日の保育について、柔軟に話し合って決めるという、当たり前のようでいて得難い円滑な関係性が出来ている。

タイトル子どもの体力向上と災害時への対応を意図して、計画的な散歩コースを設定し、子どもたちの卒園への準備に配慮している
内容

本園の保育の良さには、子ども自らが関わる環境を豊かにすると同時に、毎日の積み重ねが大きな成長をもたらす見通しの中で、時には子どもに高いハードルを課し、それに挑戦させて得る達成感や、充実感を大切にしていることがある。
例えば毎日の散歩と高尾山登山の関係がわかりやすいだろう。散歩は1歳児から卒園まで継続して実施している。
避難場所までの45分かかる散歩コースもある。
卒園する頃には、近くの高尾山の登山ができるようになる。
高尾山登山の成功は、卒園後の忍耐力の糧となっている。

タイトル子どもの自発性や関わりを尊重する保育実践のために、職員間の連携が進み、意思疎通の良い同僚性が向上している
内容

子どもの主体性を育てる保育が成果を上げている鍵の一つに、職員間の風通しのよさ、意思疎通が十分に図られる同僚性の高さが挙げられる。
保育は本来チーム保育であり、一人の保育者だけでは、保育は成立しない。
一人ひとりの発達を保障する実践の背景には、チームで保育することの大切さを、園長はじめ職員一人ひとりが気づくようになってきたことが大きい。
それによって業務の見直しや、各種の委員会も活発化した。子どもの体験の質を高めるために、職員のチームワークが向上している。

事業者が特に力を入れている取組み

タイトル①高齢者との触れ合いを積み重ね、他者を自然に思いやる優しさを育んでいる
内容①近隣の高齢者施設との交流から、園児の人と関わる力や人を思いやる優しさが育っている。
子どもたちは園の近くにある高齢者の施設へ行き、話をしたり、正月遊びなどを楽しんでいる。
またミニ運動会やミニ遊戯会などを開いて、高齢者との親睦を深めている。
知り合いになり、保育園の散歩先で挨拶や会話を交わしている。
その経験は、子どもが異なる人への配慮の仕方を知り、散歩時には歩調を人に合わせることもできる思いやりの心の育ちとなり、子どもたちには自分の家庭に高齢者がいなくても、接し方を学び、他者を思いやる心が育っている。
タイトル②保育で使った絵本から食材の飾り方を工夫して視覚で子どもの食事への関心を高めている
内容②本園の食育は調理スタッフが保育士と同じように、子どもの心を揺さぶるような献立と盛り付けを楽しんでいる。
子どもたちは絵本「はらぺこあおむし」が大好きだが、ある時の昼食は、料理があおむしに見立てられた。
まずあおむしの胴体は、綺麗に並んだ色違いのおにぎりで作り、いもむしのように並べた。
棒状のお菓子であおむしの角に見立て、まるで造形作品のような食事の盛り付けた。それを見た子どもたちの驚きの様子は保育士の話から想像できる。
保育園ならではの、子どものイマジネーションを刺激するものが、子どもたちの興味を引きつけている。
タイトル③地域の中で保育園が果たす役割を発見しながら利用者のニーズに応えている
内容③

保育園を「地域の大きな家」と位置付けて、子育て家庭や高齢者世帯との交流を活発に行っている。
そこには必要な人に必要なサービスを、という考えがある。
何が必要なのかに気づくには、必要としている現場と出合うしかない。
例えば出前保育を繰り返す中で、そうした広場でさえ足りないものがあることに気づいた。
それは虐待防止には親子関係の緊張をほぐし、安定した関係を維持すること。そこで保育室や園庭の開放を始めた。
このような地域支援のあり方は、ニーズ根拠型福祉の典型例であり、保育園が社会的責任を果たす方法のモデルといえよう。

評価項目
日常の教育・保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している(6-4-3)

タイトル①和の保育カリキュラムをもとに、心を鎮めたり感謝の気持ちを育んだりしている
内容①

法人独自の保育課程、和の保育カリキュラムがある。日々の保育は、法人の理念を反映させた保育課程をもとに月案や週日案を作って実践されている。
和の保育の「心」では、「静」と「心」と「家族」があるが、その「静」とは、静かに座り落ち着いて考える力を養っている。
毎月、座禅会に向け3~4歳児は椅子坐禅、5歳児は畳で正座から始め、月を追うごとに座る時間を少しずつ延ばし、無心になる時間を体験している。
また「家族」では、無償の愛に気づき親や祖先を敬うという目標があり、年長児が自分の誕生日に家族へ感謝の手作りカードを贈っている。

タイトル②保育のエピソードを検討し、子どもが自ら遊びを通して学べる環境を作っている
内容②

本園には保育内容研究委員会があり、子どものエピソードを語り合って保育を見直している。
職員は保育日誌に子どもの日々の様子や印象的な事例を書き溜めている。
この保育記録をもとに、子どもの内面に迫りながら、本当は何をやりたがっているのか、職員の関わりはどうだったか、何を学んでいるのか、などについて検討している。
ボランティアの力を借りてボディペインティングを楽しみ、空のイメージを表現したこともある。
年齢別に同じ内容を用意するだけではなく、一人ひとりの経験を豊かにするために、熱中する活動を検討している。

タイトル③日々、戸外活動をすることで季節の移り変わりを肌で感じ、探究心も育んでいる
内容③

散歩を続けることで季節の移り変わりを肌で感じている。
近くの公園は自然が多く、春の梅の花や池のおたまじゃくし、夏には竹林の清涼、秋には紅葉などを楽しむことができる。
自然環境を保育に活かす活動は戸外だけではなく、園内の活動とも関連をもたせている。
朝顔を育ててきれいな花を咲かせたり、それを残そうと押し花にしたり。その際、押し花づくりの方法を保育士と一緒に調べ、探究心も育んでいる。
園庭の畑では夏野菜を収穫したり、雪が降ると園庭での雪遊びに興じる。
自然環境を子どもが興味を持つ保育環境に上手に転換している。

評価項目
日常の教育・保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している(6-4-4)

タイトル①行事づくりが普段の保育活動と結びつき、子どもの表現を上手に活かしている
内容①

年間の行事づくりと、普段の保育が連動するように工夫している。
運動遊びや劇遊び、ダンス遊び、制作遊びなどが運動会や遊戯会、作品展などにつながるが、そこで演出に使う材料も、子どもたちが作ったものを上手に組み合わせて活かしている。
例えば、お遊戯会の背景に使う樹の絵は、子どもたちが拓本を採るときに墨をつけて叩く道具タンポを使って描いた。
蝶々の絵は、絵本「はらぺこあおむし」に出てくる蝶になっている。
一つの行事を作り上げるのに、その行事だけではなく、他の保育活動と連動させており、日常の活動が輝き出す行事になっている。

タイトル②子どもが司会や接待で保護者や地域の方をもてなし、和の保育を実践している
内容②

保護者や地域の方と力を合わせて行事を作り上げている。
行事には運動会、夏祭り、遊戯会、作品展などがあるが、保護者に年間行事予定を事前に知らせ、多くの参加を呼びかけている。
例えば年長組の祖父母や近隣の方々を招く敬老会では、年長児がお茶を出し、司会の手伝いや案内で、おもてなしをする。
和の保育にある、日本の伝統や礼儀に親しむ毎月の「おもてなしの日」の実践が、こうした行事本番で活かされている。
開催後には保護者へアンケートを取り、公表している。また、行事に参加した父母の会の役員からの意見や要望を次回に反映させている。

タイトル③職員以外の他者と触れ合い、話を聞き話す力と自分を表現する力を育んでいる
内容③

本園は保育にボランティアの力を借りているが、それが話す力、聞く力の育成に結びついている。
例えば2か月に1回の華道は、和の保育の一つで、ボランティアの専門家が子どもたちを指導している。
園が用意した花を子どもたちが花器に生ける。生けた花は保育室に飾られているが、同じ花でも個性豊かで、子どもたちは、それを保護者と共に見て話を弾ませている。
保育園の職員以外の人から教わることを通して、話を聞く、自分の体験を話すことを繰り返し、現行の幼稚園教育要領が力点を置いた「話す力・聞く力」や、広い意味での表現力を育てている。

評価項目
子どもが食事を楽しめるよう、指導・援助している(6-4-6)

タイトル①保育士と調理スタッフの連携がよく、子どもの興味を活かした食事を作っている
内容①

本園の食育は年間を通した計画があり、保育課程「和の保育」の中に位置づいている。
どのクラスも発達にあった食事の環境が整えられている。その中で注目したいのは、保育と食がよく連携していることだろう。
栄養士をはじめとする調理スタッフは、食育に子どもの興味あるものを取り入れるため、保育士から情報を得て行事食やメニューに取り入れている。興味を持っている絵本があると聞くと、例えば絵本が「にじいろの魚」なら、それに登場する魚のクッキーをおやつに出したり、誕生会の日の献立の盛り付けに変化をつけたりしている。

タイトル②アレルギーや宗教上の配慮など個別の事情に応じながら多様な食育を展開している
内容②

食育の質を高めるために、個別の事情に応じた食材の選択やサイクル献立、あるいは味覚の発達を促す体験など、いろいろな活動を展開している。
給食の食材は、鮮度や安全性のほか食物アレルギーの対応や宗教上の配慮からも選ばれている。
月2回同じメニューになるサイクル献立は、子どもの喫食状況を把握し、2回目には味付けや、彩り、大きさや硬さを改善する形成的評価の手法を取りれている。
子どもの味覚の発達には臨界期があることから、鰹節を削って出汁を味わったり、砂糖や醤油、塩などを舐めてみるなど、旨みや味覚の違いを体験をしている。

タイトル③食育を通して「食べ物とは命あるものをいただくこと」だと気づき感謝の心を育んでいる
内容③

本園は様々な活動で感謝の心を育んでいるが、食育こそ、それに適した活動が見られる。
子どもたちは、それまで生きていた魚が、食べ物へと解体されていく様子を見たり、園の畑で育ててきたキューリやトマト、ナスなどを収穫し、調理の一端を手伝っている。
こうした体験は、命のあるものだからこそ、自分たちの「食べ物」になることに気づき、粗末にせずに大切にしよう、という気持ちにつながっている。
また自分たちで栽培した野菜だけに、興味を持って食べる意欲にもなっている。

ごあいさつ

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