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「見守る保育」藤森メソッド

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 Japanese Childcare Method 『HOIKU』 by HEIJI FUJIMORI

      A practical childcare & curriculum guide based
     on Mimamoru philosophy toward social networks from the dyad. 
 

保育環境研究所ギビングツリー(GT)
                     
〒161-0033東京都新宿区下落合2-10-20
新宿せいが子ども園内

        Email:: info@mimamoru.net

新宿せいが子ども園(2017)

年度2017年(平成29年)評価機関:評価基準研究所(IRES)
担当評価者評 価 者 氏 名
①谷口 仁宏②小川 明美③松尾 肇浩 
福祉サービス種目

評価対象事業所名称
認定子ども園
新宿せいが子ども園〒161-0033℡03-3954-4190
所在地東京都新宿区下落合2-10-20
園長藤森 平司

今回、第三者評価を受審してのご感想(256文字以内)

事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)のうち、特に重要なのも

1)他を受け入れ共に生きていく中で、子どもも大人も相手の存在を深め、豊かにする
 社会づくり
2)子どもも大人も様々な体験を通して得た知恵や知識を用い、他者に貢献することに
 喜びを感じる
3)子どもの主体的な活動としての生活、自発的な活動としての遊びを保障する
4)子どもも大人も一人ひとりの特性に応じる保育を通して、自分自身を好きになる
5)子どもも大人も人との関わりを大切にし、関わる力を育み、人の喜びを喜ぶ

期待する職員像

(1)職員に求めている人材像や役割

保育者は保育環境のデザイナー。子どもたちが自ら関わっていきたくなるような環境づくりが求められます。そのためには、職員一人ひとりがそれぞれの好きな分野・得意な分野について興味関心好奇心そして探求心をもって取り組み、その得意分野を活かして園の保育環境づくりに貢献することが求められます。

(2)職員に期待すること(期待を持って欲しい使命感)

子どもの存在を丸ごと信じ、子どもに真心をもって接し、子どもを見守ることを心掛けてほしい。そして、子どもの発達を最大限に保障する環境づくりとお互いに補完し合う関係の構築を旨とし、柔軟に行動できるマインドを兼ね備えた人格の形成を期待します。

特に良いと思う点

タイトル保育所保育指針に影響を与えていると思われる保育理論を取り上げ、異年齢児保育の実際と異なる子どもの姿の意味を検証している
内容保育の研究は日々進化しており、多くの学者が同意している新しい理論も多い。しかし、その理論の多くが家庭の親子関係をモデルにしたものを集団保育に応用したり、年齢別保育を前提にした集団であったりする。そのため乳児の異年齢児保育を実践している本園は、保育理論が当てはまらないことがある。そこで園長が保育指針に使われている保育理論を取り上げ、全職員でそれを学びながら、実際の子どもたちの姿にあっているかどうかを検証している。最近では「愛着」「共感」などのテーマを扱い、日本赤ちゃん学会や日本保育学会で発表してきた。
タイトル園長をはじめ職員が保育界の既存の常識を問い直し、実際に必要な保育理論を見極めながら、保育者の立場からその意味を説明している
内容保育界では、今までの常識として考えられていた保育方法などが検証されることもなく、そのまま今も使われていることも多い。しかし、これらは子どもの発達を理論的に捉えておらず、子ども主体の保育というよりむしろ保育者側にとって都合の理屈に過ぎない場合もある。本園では、園長が中心となって、保育界の今までのこのような間違った在り方を一つひとつ検証し、本当に必要なものは何かを問い続けている。そして、この日々の保育での問いかけを外部へ発信するために、職員は保育理論について実践する立場からその意味を説明できるようにしている。
タイトル子ども同士の関わりなどを丹念に観察することから発見した多くの知見が、いろいろな保育環境や保育方法に生かされている
内容子ども同士の関わりを丹念に観察することから発見した知見が、いろいろな保育環境や保育実践に生かされている。例えば、乳児は信頼している親の視線と表情を読み取り、その視線の先の他者にも共感を持ちやすくなる。この経験知から「慣れ保育」では、保育初日に親子で過ごしてもらう。すると乳児は楽しそうに保育者と話す親の様子に安心し、園生活に慣れやすくなる。既存の知見は親子関係をモデルにしたものが大半で、複数の子ども関係に加え、保育者や保護者との関係も含めた研究は少ない。本園の実践から発見された知見は保育の参考になるだろう。

事業者が特に力を入れている取組み

タイトル①子ども同士の自発的な関わりを保障するような保育者の「集団的敏感性」を提言している
内容①子どもは生まれながらにして自発的に環境に働きかける力を持つ。また子ども集団は、自分と他者の存在を同時に意識させる役割がある。そこで保育者は子どもから見える場所にいて、自発性が引き出されたり、集団の中で子ども同士の相互作用が活性化するように見守っている。例えば子どもが自分ではできないとを友達に依頼できるように、保育者は子ども同士の関係を結びつける。集団の中での子どもの養護の働き活かすように、大きく包み込む保育者の応答性を真の「集団的敏感性」として保育界へ提言しようとしている。
タイトル②子どもの魅力を再発見する動画を職員が制作し、保護者に伝える取り組みが優れている
内容②一年間の子どもの発達を保護者に伝える3月の行事「成長展」で、職員が制作した映像番組が話題になった。これは「せいがチャンネル:子ども研究ニュース」と題し、いろいろな保育場面を職員の掛け合いで楽しく解説したもの。今年のテーマは「集団的敏感性」だった。これを見た保護者は、子どもの持つ力に驚き、保育の面白さにも共感を感じていた。この番組は毎年、最近の大きな保育学会などで話題となっているテーマを園長が取り上げ、子どもたちの様子を職員が動画で収録する。職員は改めて保育の魅力に気づき、テーマを深く学ぶ機会にもなっている。
タイトル③保護者以外の地域の関係者との密な関係性構築が進み、園児たちの成長に役立っている
内容③保育理念の「共生と貢献」のもと、開園して10年が過ぎ、地域の人々のつながりが密になっている。年々、小中学校や町内会などとの関係深まってきており、地域の人々からは「せいが」の愛称で親しまれるようになっている。地域の方やボランティアが区の社会福祉協議会を通じて訪れ、園の職員だけではできない活動を補ったりしている。園児にとっては生活の幅が広がり、交流の機会が増え、良い経験となっている。今後は、高齢者施設との交流や町内会行事への参加、また小学校の先生との交流や互いの授業参観、カリキュラムの検討などを計画している。

評価項目
日常の教育・保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している(6-4-3)

タイトル①保育者は遊びや活動を用意し、権利の主体者である子どもが何をするかを決めている
内容①園は子どもが主体的に生活に参画(コミット)している。それによって、子どもの権利として、何をしたいかを自己決定する力や、社会情動的スキルを育む保育となっている。保育者は子どもの発達を促す遊びや活動を用意して、あとは子どもの自発的な選択に任せている。例えば、これから室内で遊ぶか、外へ散歩に行くかは子どもが決める。ただ、いずれも体験させたいときは、今日は散歩だが明日は室内、といった具合に順番を選ぶ。保育者はチームを組んで用意した遊びや活動を担当する。子どもはわくわくしながら自己選択に基づく遊びを楽しんでいる。
タイトル②子どもの発達や展開を促す環境が子どもの意欲と遊びの集団形成が図られている
内容②園は子どもの興味や関心に沿った遊びができるように空間をゾーニングしている。やりたいことに没頭できる環境は、子どもの意欲を引き出し、同じ遊びを選んだ子どもたちが楽しそうに遊び込んでいる。その遊びの中で子どもたちは、気づいたことを教え合い、思いや意見を語り合い、そして何かを試しながら考えるなど、お互いに刺激し合い、高め合っている。また子どもの遊びや活動は、自分で「終わりにする」と決めるまで継続でき、例えばブロックや塗り絵、作りかけのものなどは、誰の物かが分かるように置かれている。
タイトル③裏山の広い公園で体を動かし、自然や生き物に触れ合うなど戸外遊びも充実している
内容③子どもたちの活動エリアは幅広い。園の裏山が都の広い自然公園で、走り回れる広場や複数の散策ルートがあり、外遊びも充実している。年齢や発達に応じて使い分け、またザリガニ釣りや落ち葉、どんぐり拾いなど、自然体験も豊かだ。鳥の鳴き声、水の流れる音、木々の色の変化なども学んでいる。東日本大震災を機に、園が被災地から譲り受け、実から育てたどんぐりの木もある。また電車やバスの交通機関も便利で、博物館などへも出かけている。毎週1回、すぐ隣の小学校の校庭を使って遊んでおり、鉄棒や雲梯など、園ではできない運動も楽しんでいる。

評価項目
日常の教育・保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している(6-4-4)

タイトル①行事は親子の関係を深めたり、子どもの発達を伝えることに役立っている
内容①保護者が園にくる行事は、まず子どもと保護者が楽しめるものになっている。保護者が参加や、参観する大きな行事には、親子遠足、父親保育、夕涼み会、運動会、お楽しみ会、成長展がある。これらの行事は親子関係を深めたり、子どもの発達を伝えたりすることに役立っている。また発達を伝えるといっても、出来栄えを披露するものとは全く異なり、普段の生活や子どもが好んでやっている遊びの中から運動や歌や劇は構成されている。例えばお楽しみ会なら、乳児の朝の会の様子を再現したり、2歳児クラスなら当番活動を模して舞台に登場したりする。
タイトル②「日常の取り組みの中に行事がある」という考えが園全体で共有されている
内容②普段の生活と行事の関係について、興味深い言葉を聞いた。「日常の取り組みの中に行事ある」という。保育者は、「行事があるから、やりたい活動を犠牲にして、行事のための活動を優先しよう」という行事先行の考えを持っていない。運動会の種目は普段の活動から選び、お楽しみ会の劇は普段親しんでいる絵本から選ぶといった具合である。それだけに、普段の生活が充実していないと、行事で何をしようかと直前になって練習が必要になってしまう。本園の行事はそれがない。子どもの充実した遊びがあって初めて行事も成り立つという基本に気づかされる。
タイトル③行事を作り上げる期待感と終わった後の波及効果が行事の前後を豊かにしている
内容③行事がきっかけになって、普段の生活を豊かにもしている。運動会で使う入場門を自分たちで製作したり、劇遊びの役を考えたりすることで、行事への期待感も高まる。子どもたちはわくわくした気持ちで行事当日を迎えている。一方で、行事が終わっても行事の効果が続いている。例えばお楽しみ会の合奏で年長児が使った木琴を、他の子どもたちが楽しく遊んでいた。このように行事が節目となり「それまでの保育」と、行事後の「これからの保育」がそれぞれ深まっている。保育者は、行事の活動以上に、その前後の子どもの意欲や育ちにも目を向けている。

評価項目
子どもが食事を楽しめるよう、指導・援助している(6-4-6)

タイトル①食事は子どもの発達や健康状態に合ったもので、共食による楽しいひと時になっている
内容①食事は子どもの発達や健康状態、嗜好に合った楽しいひと時になっており、授乳から離乳食、幼児食にいたるまで個々の発達合った内容と喫食形態が用意されている。例えば乳児では手づかみ食べなど、自発的な喫食行動を促すために、肘が自由に動くように椅子の高さが個別に調整されている。少し発達が先の子どもの様子を真似できるようなテーブルセッティングになっている。幼児では食べる場所も量も子どもが選ぶセミバイキング方式。「大家族のように一緒に食べると美味しい」という共食を大切にしており、これは近年問題の孤食を防ぐ目的もある。
タイトル②異年齢での共食は子どものコミュニケーションとソーシャルスキルの育成に役立っている
内容②テーブルを囲んで食べる共食は、子どもたちの社会性も育んでいる。幼児の場合、好きな場所を選べるダイニングの席は子どもの数しかないので譲り合って座る。食べ始めるまで「待つ時間」と食事中は、好きなことを話題に会話を楽しむコミュニケーション・タイム。一緒に食べる先生は、食事のモデル役であると同時に子どもたちの会話の促進役でもある。乳児も一緒に0~6歳まで異年齢で食べる「共食デイ」も定期的にある。共食は人類が社会性を獲得した要因の一つと言われており、ソーシャルスキル育成に役立つ。この方法が都知事賞を受賞している。
タイトル③栽培や調理を楽しむ食育活動は、人類が獲得した「知性」の追体験の意味もあるという
内容③共食に加えて栽培や調理に子どもたちが関わる食育にも特徴がある。屋上には畑があり、きゅうりやなす、さつまいもなどを育てている。お茶の木もあり、子どもが茶摘みもできる。室内にはガラス張りの水耕栽培装置が置かれ、光と水だけで育つレタスの様子を子どもたちが観察している。幼児フロアには子ども用キッチンもあり、頻繁にクッキングを楽しんでいる。栽培や調理を充実させているのは、子どもたちにホモ・サピエンスの由来となっている「知性」を追体験させるねらいがある。人間だけが、霊長類もしない栽培、調理、共食を文化にしているからだ。

ごあいさつ

 藤森平司先生の新著
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