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「見守る保育」藤森メソッド

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 Japanese Childcare Method 『HOIKU』 by HEIJI FUJIMORI

      A practical childcare & curriculum guide based
     on Mimamoru philosophy toward social networks from the dyad. 
 

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中島ゆうし保育園(2018)

年度2018年(平成30年)評価機関:評価基準研究所(IRES)
担当評価者評 価 者 氏 名
①筒井 正人②中山 利彦③谷口 仁宏
福祉サービス種目

評価対象事業所名称
認可保育所
中島ゆうし保育園〒206-0812℡042-377-3725
所在地東京都稲城市矢野口256
園長佐藤 宏美

今回、第三者評価を受審してのご感想(256文字以内)

他機関の評価と比較して「評価基準研究所」に第三者評価を依頼する最大の利点は、保育観が一致していることです。「見守る保育」の視点で、私たちの保育園のありようを見て、環境、子どもへの関わり方を、「なぜ?」と問いかけてくださることで、自分たちの保育の原点を考える機会となりました。組織マネジメントでは、経営力向上のヒントを沢山いただき、園長としてマネジメントの面白さに気づけました。評価翌年度の事業計画には職員の意見を取り入れ、方向性の明度が増しました。ベクトルが一致したことで生まれる成果を期待しています。

事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)のうち、特に重要なのも

1) 一人一人がその子らしく育ち、社会の中で生きていく力を身につける成長には緩急があり、行きつ戻りつすることもあります。そして、子どもによって成長のプロセスは違います。私たちは、その子どもが持っている育つ力が発揮できるように、やってあげるのではなく、子どもが自分でできるように環境を調え、時間を保障します。自分でできたことが次の意欲へとつながり、自信を蓄えていきます。保育園は自信に溢れた子ども達の社会であり、この中で他者との関わりを経て、人生の基礎となる「自律=自分への信頼」と「自立=他者と関わる力」が育ちます。この保育を実現する為に異年齢児保育を行っています。
2)保護者と保育園は子育てのパートナー 保育園は集団生活だからこそ、子ども同士の関わりを育てることができます。集団の中で自己発揮をするためには、家庭が基盤となります。保護者と保育園は、子どもの育ちを一緒に支え、共感できるパートナーでありたいと思います。    
3)近隣とのおつきあいを大切に園児は一日の長い時間を園で過ごすため、近隣と疎遠になりがちです。里山では野菜作りを教わり、読み聞かせの方に訪問していただくなど、地域の方と交流しています。

期待する職員像

(1)職員に求めている人材像や役割

まずは、専門職としての誇りを持つこと。資格取得はスタートです。経験を重ね、学び続ける姿勢を持つことで、自分の仕事の価値を確かなものにしていきます。当園には20代から60代の職員が在職しています。様々な世代の存在は異年齢児保育を豊かにします。保育観を共有した上で、個々の持ち味を生かして欲しいと思います。そのためには、人間関係づくりに職員一人一人が心を砕かなくてはなりません。職員は入職3年を目安に、保育カウンセラー研修を受講します。カウンセリングマインドを学ぶことで、自己理解が進み、他者の心持ちに寄り添うことを身につけます。保育園は、子ども、保護者、職員で構成される0歳から60歳までの幅広い異年齢集団です。カウンセリングマインドを身につけることで、他者と円滑に関われるようになります。保育所保育指針に明記されている子どもへの応答的な関わりは、カウンセリングマインドと重なるものです。職員は、子どもにとって人生のモデルです。子どもが大人になることに憧れが持てるように、子どもを育てる仕事にやりがいを感じ、プライベートも充実している、自分の人生を楽しむ職員であって欲しいと思います。

(2)職員に期待すること(期待を持って欲しい使命感)

法人の理念、園が目指すことを理解することが必須です。職員の視線が一致しなければ、目指す方向に保育を進めることができません。一人一人が自分の視線を意識するように心がけ、同僚の視線にずれを感じた時には声をかけ、声をかけられたら自分が見ている方向を見直す柔軟さを持って欲しいと思います。法人の理念という根幹は揺るぎませんが、園の事業は、子どもの姿、保護者の願い、地域の期待によって、変化していくものです。やってきたことに固執せず、物事の意味を確かめながら、新しいことを創造することに前向きである職員集団でありたいと考えています。その集団の一員という自覚を求めます。

特に良いと思う点

タイトル子どもたちの意思を尊重し丁寧に意見を聞くことで、子どもたちの主体性を育み、自ら考え実行する力を伸び伸びと育んでいる
内容子どもの主体性を重んじるという考えの下、園には多彩な遊び空間、玩具・教具などの材料が用意されており、子どもたちは自由にそれを選べるようになっている。しかしここで特筆すべきなのは、その多彩さではなく、その機会ごとに、子どもたちに、自らの意思を表明し考える場が用意されているという方法的な丁寧さだろう。どんな活動をするのか生活のそれぞれの場面で保育者は丁寧に子どもたちの意見を聞き、子どもたちの意思表明を促している。子どもたちは伸び伸びと意思を表明し、その結果、子どもたちの主体性が望ましい形で育まれている。
タイトル地域の里山を管理運営する団体と協働して、子ども達のかけがえのない体験などの場として保育に活用している
内容法人理念の象徴的な保育実践が自然教育「のらのら」で、「のら」とは野山や畑のことを指す。この場所で「たくさん遊んで人間の生きる力そのものの基礎を培う体験活動」に取り組んできた。その活動場所である「いなぎめぐみの里山」を管理運営しているNPOいなぎ里山グリーンワーク主催者との打ち合わせは園長自身が担当しており、子どもたちを里山に連れていくことで、自然の中でのびのびとできる様子、風が吹いてきて気持ち良いと感じたりする経験などはかけがえのない子ども達の経験につながっている。
タイトル一人ひとりを大切にするという方針の徹底が、大規模・多人数の保育運営にとっての大きなメリットになっている
内容園児数140人超の本園がとる、根本的な保育方針は、一人ひとりを大切にするということ。ややもすると園の運営規模と相反しそうなこの方針だが、その徹底が、かえって園のスムーズな運営の礎となっていることに注目したい。子ども自身の意思を尊重した朝の会、やりたいことを思い切りできるゾーニング、意見を言い合い活動を共にするための子ども集団の最適化…。子ども一人ひとりを大切にするという大原則から生まれた現在の保育スタイルが、翻って、園の保育全体を安定させている。

事業者が特に力を入れている取組み

タイトル①一人ひとりに語り掛ける優しさあふれる保育環境を作り子どもに丁寧に寄り添っている
内容①多彩な遊びが用意された保育室、さまざまなお知らせが掲示されたエントランス、こまやかに整理された貸出図書コーナー、季節の変化が感じられる明るく広い園庭…。よく考えられ整備された保育環境の中でも特筆すべきなのは、こうした環境の細部に、一人ひとりの子どもへの配慮と保護者への明快な伝達意思が宿されていることだろう。何をする場所なのか、みんなでどう決めたルールなのか、子どもに対しては丁寧にその意味が語られ、保護者に対しても日々の活動や園のねらいが簡潔に示されている。一人ひとりに丁寧に寄り添う、優しい保育環境である。
タイトル②業務遂行の不明確さを職員間で共通課題とするなど業務の見直しを積極的に図っている
内容②本園の保育業務の柱としている保育方法について確認と業務の見直しが積極的に行われている。毎月クラスの課題及び子どもとの関わり方に関する計画をクラス毎に作成、そしてその計画実施の検証に取組んでいる。検証の結果は職員会議の場で発表している。この取り組みによって子どもを観る視点を職員各自が培うことを園は期待している。たとえば、1歳児クラスの子どもたちが生活に見通しを持てない理由が保育ルーティーンの不明確さにあることを共通理解し、業務の見直しを図った。他クラスにも同様の取り組みがあり園全体でサービス向上を図っている。
タイトル③地域資源の活用で子どもの生活を豊かにし、地域とのつながりを創出している
内容③「共に育ちあう地域を目指して」という大きな理念の具体的実践として、地域NPOとのコラボレーションによる里山保全、体験活動を行っている。子どもたちは毎月、自然遊びだけでなく、地域伝統の継承、生活や遊びを切り開く自活体験など、多彩な活動を体験し、自らの世界を広げている。そしてこの活動は、子どもたちにとってばかりではなく、整備を担うNPOにとっても次世代とのつながりや契約による収入など得るところが大きく、まさに園と地域が一体となった活動として定着している。この活動が根付き、次代にどんな花を咲かせるのかが楽しみだ。

評価項目
日常の教育・保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している(6-4-3)

タイトル①子どもが納得いくまで遊びこめる場所と材料と時間を確保し豊かな遊びが展開されている
内容①広い保育室は、つみきやブロッなどの多彩な遊びのためにゾーニングされている。つみき一つをとっても、細長い板状のものから四角いブロック状のものなどがそれぞれの種類ごとに仕分けされるなど準備は細やかだ。もっと作りたいという子どもの気持ちを尊重し意欲を持ち続けて遊びが継続できるよう、パーティションで大きなものを作るスぺースが確保されている上、つくりかけのものに付ける顔写真入りの名札(とっとくカード)も用意されている。安心して続けることができる環境の中で、子どもたちの創作意欲と共同作業が伸びやかに現出している
タイトル②子ども自身が活動を選び、自ら選んだ責任を感じながらそれぞれの活動に取り組んでいる
内容②幼児クラスのミーティングをのぞいてみた。保育者がそれぞれのゾーン(活動)を記したボードを手にして子どもたちの前に立ち簡単に導入を行い、子どもたちが、どのゾーンを開くか意見を出し合い、その日の活動メニューが決まっていった。多彩な環境を用意した上で、さらに、子どもたちに対して、「自ら考え・選ぶ」というプロセスを意識的に経験させるような工夫がされている。この積み重ねで、子どもたちは自分で選ぶこと(選択)、自分の責任で取り組む(やりとげる)ということがしっかりとできるようになったと保育者は手ごたえを感じている。
タイトル③子どもたち自らが、自分たちの生活をつくりだし、楽しく運営できるよう工夫している
内容③異年齢の子どもたちが過ごす中、年長児による「見守り隊」が結成されている。これは、遊びの中で約束が守れない子がいることに対してどうするか保育者が年長児に相談した結果、年長児が自分たちでそうしたルールを年下の子に教えてあげようという気持ちから創始されたものだという。ランチルームの壁には曜日ごとの見守り隊メンバーが掲示され、隊の子どもたちは(他の日はそうでなかったとしても)その日は熱心に自分たちの生活を楽しく運営することに尽力しているという。子どもの意思を尊重することで、自ら行動し、自ら運営する気風が育っている。

評価項目
日常の教育・保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している(6-4-4)

タイトル①生活の中で育んだ文化を行事に生かし、それをまた行事にもどす好循環が生まれている
内容①行事においても、子どもたちの日々の生活の中での活動から立ち上がることを重視して計画が立てられている。例えば今年は、園の年間テーマ「やさい」にちなみ、地元から提供される野菜を園オリジナルのキャラクター「いなレンジャー」に発展させ、それが子どもたちに浸透する中で運動会のパフォーマンスになり、その経験が後日、特別メニュー「いなレンジャーカレー」となって楽しい昼食となったという。ひとつの事柄が、子どもたちの興味を呼び行事活動に発展し、再び日常に返って、生活が豊かになる。行事が保育を厚く・豊かにしている好事例である。
タイトル②プロセスを重視した行事計画で、子どもの意欲的な取り組みと達成感を実現している
内容②行事計画・報告書というファイルがある。行事の計画が綴られたものだが、その内容はお楽しみ会などの大きな行事から、おっとあぶないキャンペーンといった日常生活の中の細々したものまでさまざまだ。左の計画欄には、「ながれ・子ども同士の関わりや様子など」と書かれ、右の実施欄には保育者による課題出しや実際の様子の記録などが書かれる。計画は複数週におよぶものもあり、そこに至る(またはそれを経て次に進む)プロセスが重視されていることが伺える。こうした計画の中で、子どもたちは意欲的な取り組み、達成感を得ているようだ。
タイトル③地域資源を活用したプロジェクトにより子どもの経験の質を高め保育を豊かにしている
内容③本園は便利に開発された住環境と背中合わせの豊かな里山環境が残る地域にある。里山を保全する地元NPOとの協力により行われるのが「しぜんプロジェクト」。乱雑さを適度に残しながら整備された里山空間を訪ね自然遊びや屋外での調理活動などを行う「しぜんプロジェクト」が毎月行われ、四季折々の変化の美しさ、維持することの大変さ、さまざまな自然物の恵みを子どもたちは経験し、そこでの感覚が子どもたちの生活の一部となっている。園と家庭とを往復して過ごす毎日の中で、このプロジェクトが子どもたちの経験を豊かにし、世界を広げている。

評価項目
子どもが食事を楽しめるよう、指導・援助している(6-4-6)

タイトル①子どもの意欲を引き出す工夫で、乳児の食の自立を促している
内容①乳児の食事シーンを見た。あまり積極的に食べない子の前には二人の子がいて、一方は食具を使い調子よく食べていく子、もう一方は食欲旺盛な手づかみ食べの子だった。子どもたちは互いを見合い意識しながら食事をしていたが、保育者によるとこれは意図的に配置されたものだという。つまり、食の細い子が眼前の食欲旺盛な子の刺激を受けられるよう、また、手づかみ食べの子がそれを十分に楽しみながら、横の上手に食べられる子を見られるようにという配慮だ。さまざまな発達の子がいる集団の特性を生かし、自らの力で食の自立ができるよう工夫している。
タイトル②程よい規模のグループでの食事により、落ち着いて楽しく食べる経験ができている
内容②日常の活動で3つのグループに分かれている幼児クラスは、昼食時もそのグループ分けのまま、3つのグループ(25人)ごとにそれぞれの場所で昼食をとる。この形も、当初75人全員で昼食をとっていた際に生じた問題点をふまえて検討した結果生まれた現時点での最善形だという。仲間といっしょに食べる共食という経験、友だちを待つ待ちの経験、時間に合わせて食べておかわりをする食のペース配分、配膳や片付けの手伝い…。食にまつわる多彩な経験が、大きなロスなく実現できるようになった結果、子どもたちは心から食事を楽しむことができている。
タイトル③食材の栽培や紹介、意識付けを通して子どもたちの食への関心を高めている
内容③エントランスロビーの展示スペースには、ペットボトルに入れたお米のサンプル(玄米、三分搗き、七分搗き、白米、ぬか)や、園庭でとれたハーブが掲示され、その下には、地元農家から届いた野菜が写真アルバムで紹介されている。地元野菜を案内するのは、園のテーマから生まれたキャラクター「いなレンジャー」だ。園庭では日常的に野菜を栽培し、年中児になると味噌を仕込み、1年後、年長になったときにそれを食べるという活動も継続的に行われている。当たり前のように日常に溶け込んだ活動が、食への意識を高め生活を豊かにしている。

ごあいさつ

 藤森平司先生の新著
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